2012年

7月

21日

FISH系大学生、いわきの旬を追う!第三段  ほっきー

左から、さんぽ、なつこ、高木さん、佐藤さん、田所さん、筆者
左から、さんぽ、なつこ、高木さん、佐藤さん、田所さん、筆者

第三回いわきの漁業を知ろうインターシップ

2012721()  四倉 ほっき漁(協業制)

 

今回のインターンシップでは、主に6月から1月に行われているほっき漁について取材に行ってきました!今回、ほっき漁のカリスマ佐藤芳紀さん、高木さん、田所さんにお伺いしました。佐藤さんは、コウナゴやシラス漁をメインに漁業を行い、6月から11月までの間はほっき漁も行っているという方です。

ほっき貝は魚と違って移動することがないため、安定してとれたらしいです。もし一回の漁で魚が取れなくてもほっき漁を行えば確実にとるころができたと佐藤さんは言っていました。獲れる量もかなり多く、一時期は本場である北海道苫小牧市を抜いて日本一の水揚げ量になったそうです。

しかし、ほっき貝は卸売りを通すと別の産地に表記されてしまうことがありました。そこで、産地直送がよいということで街づくり委員がよびかけて道の駅を開設したり、市場で直売したりして、四倉の名前を広めることに成功しました。

ちなみに、その四倉の道の駅は津波で流されてしまい、現在新設中でその間仮の施設で運営してます。材料は他県から仕入れたものですが、おいしい魚料理がいただけますよ!海老天丼がお勧めです

「合わせ式マンガ」と佐藤さんの説明図
「合わせ式マンガ」と佐藤さんの説明図

ほっき漁について

ほっき漁には「合わせマンガ」「噴流式マンガ」の二種類があります。

 

合わせマンガ

漁場で位置決定

その後、イカリマンガ(船首方向の貝桁)を投入しワイヤー(引き網)を伸ばしながら100m 程前進

トモマンガ(船尾方向の貝桁)を投入してからさらに前進

ある程度のとこまで行ったらイカリマンガヅナを固定して、巻き取りワイヤーは船の中のウインチで巻き取ります。

⑤両方のマンガで挟み打ちをするような形でほっき貝を捕獲!

佐藤さんが見せてくれた「噴流式マンガ」実物
佐藤さんが見せてくれた「噴流式マンガ」実物

噴流式マンガ

北海道の業者が開発されたもので、海底を水で掘り起こして貝を獲る方法です。2つノズルがついていて、1つは水で底を掘り起こし、もう1つで掘り起こされた貝を網に入れます。

①まず、漁場で一点を決定

②そこに使わなくなったマンガをイカリとして固定

③ある程度離れた場所に行きトモマンガを投入、曳いていく!

④曳き終わったら、少し角度をずらしてまた同じ様に行う


四倉では平成10年から噴流式は採用されています。これにより、合わせ式で漁獲の半分程あったべろくいを1%程度まで減らすことができたそうです。また自動車のディーゼルエンジンを改良してシャフトの代わりにスクリューを付けて水をくみ上げて押し出す方法でマンガを使用しています。このエンジンで300万円かかったそうです。

 

 四倉では、後継者問題解決のため「協業」によって平成4年からほっき漁を行っていました

当初は合わせ式で行っていたのですが、上記のようにデメリットが多かったため、平成4年から噴流式が採用されました。噴流式導入のために佐藤さんは北海道まで行って研修を受けてきたそうです。

 

ほっき貝のおいしい食べ方

 

 「生ではおいしいけど、煮すぎ焼きすぎはかたくなっちゃうんだよ。だから、レアの状態ぐれーが。まぁ、そのぐらいだと一番うめーんだよな。」by佐藤さん

 

・佐藤さんおすすめ料理その1「ほっき飯」

1、煮あがったほっき(レア)を刻んでどんぶりに入れる

2、酒、しょうゆを混ぜる

3、ご飯を混ぜて蒸らしたら出来上がり

 

・佐藤さんおすすめ料理その2「ほっきの酒蒸し」

1、鍋に酒とほっきを入れて沸騰させる。

2、沸騰したら酒を捨てて出来上がり

 

震災以降の四倉

現在福島では農業がよくピックアップされていますが、実際では漁業のほうも深刻な被害を受けていますし、「漁業は二の次」というような扱いを受けていると言っても過言ではありません。

ほっき漁の取材終了後、佐藤さんは震災以降の漁業に関する話をしてくれました。

 

 

ほっき貝に残る問題

 

今は、四倉のほっきの身にはセシウム値が出ていません。しかし、貝の中に入っている砂にセシウム値が出てしまう恐れがあります。キレイキレイほっきといって、砂が入っていないほっきを販売しているところがありますが、セシウムが完全に除去できたとは保証できません。その上、砂が入っていないっきは弱りが早く、手間やコストもかかります。そして、そのほっきを蓄養する施設もありません。

 

 

福島の漁師さんたちが起こしてきたアクション

 

福島県の魚のモニタリングは最初、国も県も漁連もやらない方がいいという見解だったそうです。その一方で、茨城県では東海村の事件の経験もあって、素早く動くことができていました。それに続いて「あぁ、やんねっきゃなんねー」と漁師が集まって県に直訴してからモニタリングが始まったそうです。今となっては国や県は態度を変えてモニタリングデータを「貴重なデータだ!」と喜んでいるらしいのですが

サンプリングに加えて、最近では試験操業が行われ始めたというニュースが流れ漁業復活への第一歩だといわれていましたが、底引きでやったとしても100獲れる魚の内のタコと貝が0.1%なら、99.9%の魚は捨てるだけだそうです。とても効率のいい漁法ではありません。獲ってる人も、獲って売っても、一回の漁で、絶対黒字にはならないのにやる必要はあるのかと佐藤さんは訴えていました。

サンプリングも魚はひらめ100匹獲ってきたら、だいたい1匹か2匹でその検査した魚が数値が高かったらみんなだめという感じで進められています。本当は農作物の全品検査のようにやってほしい、もっと検査体制も機械も整備してくれと一年半にわたって漁師さんたちは訴えかけているそうです。

 

 

四ツ倉の漁師たちの漁場の今

 

また、佐藤さんたちが行っているシラスやコウナゴ漁の本拠地は原発の20 キロ圏内にあります。現在も立ち入ることやサンプリングをすることが許されていません。漁場の中がどうなっているかを知りたい、だからこの中を調査できない限り風評被害を気にすることすらできないのです。

佐藤さんは、福島の海岸を北側・南側。そして操業できない区域と分けて、端から再開していくといいと提案していました。ホットスポットなどを徐々に解明していき、すこしずつでも操業することができるのではないかというのが佐藤さんの考えです。

しかし、魚の検査には魚を焦がす必要があるため時間がとてもかかります。セシウムの問題がなくなるのも調査がちゃんと完了するのは20年も30年も先になってしまいます。

 

 

「まあ、俺らが生きてるうちはそこさ(立入禁止区域内)はいけねーな。」

取材の最後に、悲しそうにつぶやいたその一言がとても印象に残っています

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コメント: 2
  • #1

    廣瀬太朗 (木曜日, 30 8月 2012 11:09)

    魚の検査は焦がす必要があると言うことで、手間がかかることが分かりました。
    お米のような農作物に比べて鮮度も大事なので、検査も大変だと思います。
    本当に検査体制や機械が早く整備されるといいと思いました。

  • #2

    なつこ (月曜日, 10 9月 2012 17:17)

    広瀬君
    そうですね!新鮮ないわきの魚をはやく食べたいけれど、漁師さんたちが自信を持って自分たちがとった魚を売れる日が来るには、まだまだやることがたくさんありそうですね^^広瀬君の調査もきっといわき市の漁業を知るのに重要なものになると思います!知ったことをみんなに教えてあげてね^^